Alive

クライアント=社会福祉法人 宗友福祉会うさぎ堂


愛媛県の造林会社「久万造林」と、木工を手掛ける多機能型事業所の「うさぎ堂」による林福共同プロジェクトDOCUにて、多様な造形との対話を楽しむアートピースAliveをデザインした。うさぎ堂では生活介護と就労継続支援B型を提供しており、このプロダクトはNCで切り出されたヒノキの原型を、事業所の利用者がひとつひとつ紙やすりで研磨していくことで形づくられる。制作にあたっては利用者を支援する事業所の職員に向けたガイダンスを構築していき、一定のレギュレーションのもとで加工と仕上げを行った。またこの磨き作業は基本的に数名で分担されるが、素材であるヒノキ自体の表情も含め様々な変数が存在することで、ひとつとして同じものが無くまたその姿も多様であることが大きな特徴だ。プロダクトの足裏には、その加工に関わった利用者の手書きのイニシャルが刻印されている。
 磨くという仕事ひとつをとっても、つくり手である利用者には強い個性がある。作業に没頭し(ときに机に穴を空けてしまうほど)かたちを大きく変えることが得意な人や、表面をひたすら滑らかにすることを得意とする人など様々だ。しかし一定の正確さが求められてきたこの事業所の従来の木工業務において、こうした彼らの特性は再現性に欠けたネガティブな要素とみなされることも少なくなかった。
 一方、純粋な造形として利用者の磨き仕事やその痕跡を観察すると、その個性的なゆらぎの細部には活き活きとした無垢な美が凝縮されている。あらゆるものが画一化される現代において、そうした手仕事の本質的な価値を、作家による工芸作品や機械による量産とも異なる、事業所の利用者による新しいものづくりを通して提示したいと考えた。


[素材提供]久万造林株式会社 [製造・制作支援]うさぎ堂

愛媛県の造林会社「久万造林」と、木工を手掛ける多機能型事業所の「うさぎ堂」による林福共同プロジェクトDOCUにて、多様な造形との対話を楽しむアートピースAliveをデザインした。うさぎ堂では生活介護と就労継続支援B型を提供しており、このプロダクトはNCで切り出されたヒノキの原型を、事業所の利用者がひとつひとつ紙やすりで研磨していくことで形づくられる。制作にあたっては利用者を支援する事業所の職員に向けたガイダンスを構築していき、一定のレギュレーションのもとで加工と仕上げを行った。またこの磨き作業は基本的に数名で分担されるが、素材であるヒノキ自体の表情も含め様々な変数が存在することで、ひとつとして同じものが無くまたその姿も多様であることが大きな特徴だ。プロダクトの足裏には、その加工に関わった利用者の手書きのイニシャルが刻印されている。
 磨くという仕事ひとつをとっても、つくり手である利用者には強い個性がある。作業に没頭し(ときに机に穴を空けてしまうほど)かたちを大きく変えることが得意な人や、表面をひたすら滑らかにすることを得意とする人など様々だ。しかし一定の正確さが求められてきたこの事業所の従来の木工業務において、こうした彼らの特性は再現性に欠けたネガティブな要素とみなされることも少なくなかった。
 一方、純粋な造形として利用者の磨き仕事やその痕跡を観察すると、その個性的なゆらぎの細部には活き活きとした無垢な美が凝縮されている。あらゆるものが画一化される現代において、そうした手仕事の本質的な価値を、作家による工芸作品や機械による量産とも異なる、事業所の利用者による新しいものづくりを通して提示したいと考えた。


[素材提供]久万造林株式会社 [製造・制作支援]うさぎ堂